クライアントの望む記事を執筆するために必要なこと

ライターとしてクライアントから評価されるためには、執筆前の段階が大切です。

クライアントが何を求め、記事を通して何を実現したいのか。そこを理解できていなければ、どれだけ読みやすい文章を書いても期待に応えることはできません。私自身も、経験を重ねる中で、相手への理解力の大切さを学びました。

書き始める前に確認すべきことがある

以前の私は、依頼を受けたらすぐにリサーチや構成作成へ進む意識が強くありました。しかし実際の案件では、書き始める前に確認すべきことがあります。

  • 記事の目的は何か
  • 誰に読んでほしいのか
  • 読者をどんな行動につなげたいのか


これらを外したまま書き始めると、たとえ文章が読みやすくても方向性がずれてしまいます。良い記事を書く前に、まず相手の意図を理解することが必要です。

何でも自力で解決しようとしない

今でこそ認識合わせを重視していますが、最初からそうだったわけではありません。以前は、質問する前に少し躊躇していました。

クライアントは忙しいだろうから、できるだけ手を煩わせたくない。こんなことを聞いたら理解力がないと思われるかもしれない。過去のチャットや過去記事を何度も読み返し、できる限り自分で解決しようとしていました。

クライアントの負担にならないように、自分で調べる姿勢は必要です。ただ、それだけでは問題が解決しない場合もあります。

質問しないことは、本当の配慮ではない

考え方が変わったのは、認識のズレによる手戻りを経験したからです。自分では「たぶんこういう意図だろう」と思って進めていたつもりでも、実際にはクライアントが求めていた方向と違っていたことがありました。

認識がずれていれば、当然修正が発生します。場合によっては、構成から見直しになることもあります。

その時に思いました。

質問しないことは、本当に相手への配慮なのだろうか。むしろ、認識合わせのための確認をしない方が、結果として相手の時間を奪っているのではないか。

今ではそう考えています。

信頼は日々のやり取りで積み上がる

信頼は、納品した記事だけで作られるものではありません。日々のやり取りや確認の仕方、周囲への配慮など、小さな積み重ねによって生まれるものだと感じています。実際に経験した出来事を通して、そのことを強く実感しました。

指示を整理したら見えたことがある

ある案件で、クライアントからの指示が複数回に分けて共有されていたことがありました。

過去のチャット履歴を追えば作業はできましたが、他のライターさんも同じように確認するのは大変だろうと感じました。

  • どれが最新ルールなのか
  • どこに注意事項が書かれているのか
  • 何を優先すればいいのか


探すだけでも時間がかかります。

そこで、クライアントからの注意事項を一つのドキュメントにまとめ、メンバー間で共有できるよう提案しました。この経験から、自分の作業だけでなく、周りの人も進めやすくなる方法を考える視点を学びました。

文章力では解決できない問題もある

あるクライアントで、Chatworkの管理者アカウントが乗っ取り被害に遭ったことがあります。異変に気づいたきっかけは、私のもとに不審なメッセージが届いたことです。ディレクター同士で状況を確認したところ、同様のメッセージが複数のメンバーに送られていました。

クライアントへ報告したものの、すぐには返信がありませんでした。そこで、確認できた事実だけを他のライターさんへ共有しました。記事の執筆とは直接関係ありません。それでも、被害の拡大を抑え、仕事への影響を最小限にするためには必要な措置だったと思っています。

実際に評価されたのは文章力だけではない

認識合わせを大切にする姿勢が継続的な仕事につながった経験もあります。あるクライアントから、「今後の継続的な取り組みについて相談したい」と連絡をいただいたことがありました。

その際、評価されたのは、初めての案件なのでまず1記事から進めた対応や不明点を抱え込まず率直に共有した姿勢です。「安心して任せられると社内で話題になっており、もう少しまとまった形で継続的にお願いしたい」と、ご相談もいただきました。


  • 分からないことを確認する
  • 認識のズレを放置しない
  • 無理に分かったふりをしない


そうした姿勢も含めて評価していただけたのではないかと感じています。

選ばれ続けるライターに必要なこと

ここまでの経験を振り返ると、選ばれ続けるライターに必要なのは文章力だけではないと感じます。もちろん、文章を書く力は前提として必要です。そのうえで、認識を合わせる力や周囲と協力して仕事を進める姿勢も求められているのでしょう。

確認ばかりでも、自己判断ばかりでもうまくいかない

ここまで読むと、「とにかく確認すればいい」と聞こえるかもしれませんが、そうではありません。何でも確認していてはクライアントの仕事が進みません。

一方で、方向性に関わる部分を勝手に判断すると、大きなズレにつながります。だから、意識しているのは、仮説を持って確認することです。


1.まず調べる

2.考える

3.自分なりの仮説を立てる


以上を踏まえて、判断に迷う部分だけ確認する。確認と判断のバランスが大切です。

AI時代だからこそ見られる部分がある

AIの進化によって、一定水準の文章は以前より作りやすくなりました。だからこそ、文章力以外の部分が、以前よりも見られるようになっていると感じます。


  • 方向性を理解する力
  • 認識を合わせる力
  • 周りの人も仕事を進めやすくなる方法を考える力


以上のような力は、AIだけでは代替しにくい部分ではないでしょうか。

良いライターほど、すぐに書き始めない

以前の私は、質問しないことが配慮だと思っていました。

しかし、今は違います。

認識のズレを減らすことの方が、結果として相手の負担を減らせるからです。良いライターほど、すぐに書き始めません。

まずクライアントの意図を理解しようとしたり、認識を合わせようとしたりする。その積み重ねが、「この人なら安心して任せられる」という評価につながるのだと思います。

まとめ

ライターとして活動する中で、私は文章力ばかりを見ていた時期がありました。しかし実際の仕事では、記事を書く前の確認や認識合わせが大きな意味を持ちます。

質問をためらっていた頃の私は、「聞かないこと」が配慮だと思っていました。ですが今は、必要な確認を行い、認識のズレを減らすことの方が相手の負担を減らせると考えています。

文章を書く力は大切ですが、それだけでは仕事は長続きしません。

相手が何を求めているのかを理解しようとしたり、周りの人も仕事を進めやすくなる方法を考えたりする。

クライアントとの信頼を積み重ね、選ばれ続けるライターになりましょう。

本記事は、Mojiギルドライターのセバスさんより寄稿いただいた記事です。

この記事を書いたライター

執筆者

セバス

長年の製造業勤務を経て、Webライターとしての活動を開始しました。現在は多ジャンルに対応中。読者に寄り添う文章を心掛けています。読書と野球が心の糧。

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